組織の理想の姿は、それを構成する人びとの 「個」 が顕然としていること、しかもそれらが統合されて 「全」 となっていること、即ち、一人ひとりの 「人間力」 が相互作用してみんなが目標と思いを共有し、創造的、主体的に動くことが体質化している状態であろう。
そのような組織の状態を指して、私は 「衆合天才」 と呼んでいる。 1960年代の日本の研究所ブームの頃に言われていたのは 「集合天才」 であった。
予てより、 「個」 と 「全」 はどちらかと言えば相対する関係として捉えられ、長い間それが議論の対象となってきたことは周知の通りだ。 それに対して私は、両者を相互依存関係、個なくして全はありえず、全なくして個はありえない、そのような関係として捉えているのである。 この両者をいずれの関係にするかは、いつにマネジメントのありかたにかかっている。
我われ日本人には個の意識が軟弱であると、よく言われてきた。 それに対してさらに 「人を道具として」 の人間観が衝撃的な追い討ちをかけてきたのであった。 管理の発想による全の実現のために個を犠牲にし、埋没させてきたのである。
その当然の結果として、今日の我われ日本人は、金太郎飴と自らをやゆするほどの画一凡才となってしまっているわけだ。 多くの個の 「人間力」 の種子は眠ったまま、その一部は腐れの方向へと歩んでいる懸念さえ覚えるほどになっている。
個なくして全はなく、したがって本ものの全を見ることはない。
( 『人を人として』 第七章一より抜粋に加筆)
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