キャンパスリーダーの独り事

「管理」はだめ、「自由」もだめ  No.113

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 「管理」によって人びとの「人間力」を引き出すことはできない。絶対にだ。枯れさせていくのみである。それが根差すところの“生産的”欲求が封じ込められてしまうからだ。
 では、「自由」を与え続けたらどうなるか。これまた「人間力」が育まれることはなく、枯れさせていく方向に作用していくのみである。ごく稀なる聖人君子を除けば、絶対にと言いたい。
 我われは互いに、だめな部分を抱え、血が流れている生身の人間である。さぼる、自己中心、ずるさ、偽る、それらをみんなひっくるめての人間なのだ。
 人間の弱さをよく知ると言われる兼好法師は、『徒然草』の中で「其の人の心に成りて思へば誠に悲しからむ親のため妻子のためには恥をも忘れ盗みもしつべき事なり」と言っている。2004年末の大津波の被害を受けたスリランカのカール市では、「信心深い仏教徒が救護物資を奪い合う姿が見られた」*
1 。東日本大震災を被った仙台では、3000人ちかくもの行方不明者を探す大勢がいる中、34万人もの避難者がいる中、義援金でキャバクラ遊びをしている手合いがいるという *2 。
 我われ人間は、外からの力の作用を受け容れずともよい自由の中では、二種の欲求の綱引きにおいて、己の“生産的”欲求は己の“消費的”欲求に、ついついやられてしまうことになる。自分の中に自分の敵が棲み付いているようなものだ。
 その反面では、我われは立派であらねばとがんばろうとするのだが・・・・。人間とは、何とだめな、何と素晴しい生きものなのであろうか。「人間は醜い。されど人生は美しい」と言った画家のトゥールーズ=ロートレックの絵は、人間の現実を実によくえぐり映していると思えてならない。

 *1 朝日新聞・夕刊(2005.1.6.)
 *2 TBSテレビ「サンデーモーニング」(2012.1.8.)
 (『人間力』第五章三より抜粋、少し加筆)

15.10.4.

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