キャンパスリーダーの独り事

唯一無二の途/頭力を強くする・その1  No.94

no94CL320.jpg 体力を強くするにはどうするか。体を休めることではない。休めていたら、体はやがてぶよぶよになってくる。逆だ。使うことだ。それもできるかぎり限界まで。過ぎたるは及ばずだが大ざっぱに言えば、使えば使うほど強くなる。できることや容易なことだけをやっていたのでは体力は伸びない。スポーツや筋トレを思い浮かべればすぐわかることだ。
 そうすることが体力upの唯一無二の途だが、これを言い換えると「楽をすることではなく苦をすることだ」ということになる。
 では、頭力を強くするにはどうするか。頭力とは考える力を指す。記憶する力ではない、念のため。体力の場合とまったく同じである。「我に七難八苦を与え給え」と言った戦国武将・山中鹿之助を思い出す。
                 □
 誰もが、体力にもまして頭力を強くしたい。にもかかわらず人びとは、楽を求めて苦を避けようとする。私もその一人だ。よく聞くところの「人間らしく」なる言も、楽を与え、与えられることを指していることが常だ。それが社会通念となってしまっている。
                 □
 頭力upに適う「場」はどこか。仕事こそが、これまた唯一無二とでも言うべき最高の場だと思う。仕事では、成果を上げねばならない。できなかった理由は総て言い訳となる。ときに修羅場にも遭遇する。苦しむ。そこから脱け出そうと、有らん限りの頭力を総動員して頭を使うことになる。学校教育の中にはそのような場は無い。知識の注入を原理としているからだ。そのような中では、記憶力の総動員はあれど思考力が総動員されていく本番はない。
 仕事の場とは何とありがたいものであろうか。頭を限界ぎりぎりまで使うことを”強制”してくれるからである。そのうえ、人の役に立ち、達成感に与かり、お金がもらえるのだ。
 哲学なき仕事観の氾濫が無念でならない。

15.5.10.

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