キャンパスリーダーの独り事

部下に眞正面から向き合う  No.87

no87CL240.jpg  先週のこのコラムで、「経営層に申したい。あなた方は(社員に)給料を払っていながら何をやっているんですか」と、相当に失礼なことを書いた。これについて、大屋裕靖さん(フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン人事本部長)が即日お便りをくださったので抜粋して紹介したい。大屋さんは、モトローラ系列をはじめとする米国企業で長い間、人事部門のマネジャーを務めておられる人である。これを紹介するのは私の自画自賛と等しくなってしまうが、そこは目を瞑ってほしい。

 「なぜ組革研で人びとが号泣するまでに真剣に打ち込めるのか。それはキャンパスリーダーが文字どおり命懸けで真剣に、ブロックリーダー、チームリーダー、チームメンバーが易きに流れないように向き合っておられるからです。
 残念ながら日本の大企業の多くの経営者は、そこまで真剣に社員に向き合ってはいないのではないかと思います。かくいう私自身も、社員にそこまで真剣に向き合っているかと常に自問していますが、ついつい易きに流れてしまっていて、こんな場面をキャンパスリーダーがご覧になったら大目玉をいただくな、と自省し続けています。参加者の多くが職場で実践するときに最も難しいのはそこにあると思います。
 とはいえ、職場で頑張っている方がたがおられるのも、『一歩踏み出せた/現場から』レポートで明らかです。組革研で得た感動を忘れず、あきらめずに実践して輪を広げていって欲しいです。」

                   □
 組革研で私が全リーダーに迫り続ける最大のものは、「部下に眞正面から向き合って、易き流れを許さない」である。ところが、初「リーダー参加」でこれができる人はゼロだ。
 理由は二つだとみている。一つは自己防衛、その典型が部下に嫌われない努力。無意識下でそこに明け暮れしているかのようだ。もう一つは、「リーダーは仕事と部下のための存在」だという理念に欠けているらしいことである。前者が人間の本性ならば、他方の本性でもある理性、即ち後者の理念さえ確かであれば、そこは乗り越えることはできる。
 組革研の「リーダー参加」がもたらしうるものは、その二つの意識変革にあるといっても過言ではない。

15.3.10.

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