親会社の開発を請負う弊社は、親会社の部門ごとに別々の業務が依頼されます。 そのため縦割り組織となり、同じクルマの開発を担当していても、異なる組織体制で遂行されています。
以前は、各々の得意領域でいかに迅速に業務をこなせるかが最も意識されていた職場でした。 自分で考えることなく、わからないことは親会社にコンタクトを取ってどうすすめていくかを聞きながら、という状態でした。
それは 「派生車や商品アップデート開発の一括受託化の実現」という弊社方針とは合致しません。 そこで私の部署では、 「自分達力でやりきる体制」を目指し、設計・実研・解析の3グループからリーダー1名ずつ選び、派生車ATユニット機能の開発をスタートしました。 選任では、普段の彼らの動きをよく観て、けっして過小評価せず彼らを信頼することを最も意識しました。
さらに、親会社の担当名簿に彼らの名前を明記してもらいました。 親会社と 「One MAZDA」として共に取り組んでいくことが合意されたのです。 選ばれた彼らが開発をこれまできっちりやり切ってきた実績が、弊社内はもちろん親会社にも高く評価され、信頼され実現したのです。
今でも日々、自分事としているか自ら動いているかを、厳しい目で見られている彼らですが、クルマ視点から離れずにシステムという切り口から機能を追い求める姿勢が大きく評価されており、彼らに触発された他のメンバーも動き始めています。 客先や多くの部門からお礼の言葉も頂いています。
しかし、今回の試みは弊社内でも初めて、手探りですすめていくことばかりです。 開発に没頭しながらも、ベース開発の経緯や開発を実践していくプロセスから自分たちの弱点の振り返りと改善に至るまでの過程を記録に残すことは対応できていません。 実際の開発の成功を睨みながら開発白書(重要ポイント)をどう残すかが、大きな課題です。
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