彼らの姿がまだ目に焼き付いている

「いいな」と思われたら押してください。

　 物流倉庫の現場に新たなシステムを導入することになりました。
　 現場への影響を最小限にするため、連休を利用し、１年がかりで少しずつ全国展開する予定が立てられました。 人手も一つの現場だけでは足りないため、全国の各拠点から応援してもらうことになりました。
　 しかし実際に始まってみると、連休に動員されたことへの不満が溢れ、拠点ごとの壁のようなものも感じられます。 さらに最初は準備不足も露呈し、すすめかたの不備も目立って先行きの不安が増していきました。
　 しかしその後、役割分担や段取りを綿密に立てすすめていくと、目に見えて現場の雰囲気も変わり、拠点間の壁も感じなくなってきました。
　 １２月末、最後の現場は北海道でした。 先行部隊はひと足先に現地入りし、残りの応援部隊の到着を待ちました。 そこに大雪です。 ５０年ぶりの豪雪が降りました。 瞬く間に空港は雪で覆われ、閉鎖です。 飛行機は別の空港に引き返すことになり、全て運休になりました。
　 応援部隊は、急きょ陸路に変更して北海道を目指しました。 しかしいつ着けるのか、着けるかどうかもわからないという連絡が続きました。
　 今回は失敗だ、誰もがそう感じました。 導入同日、できるところまでやろう、居る人だけですすめようとスタートを切りました。 しかし人数が足りずやってもやっても追いつきません。 さすがに疲れの色が見えてきました。
　 その矢先、ひと組、ふた組と、応援部隊が到着しはじめました。 みんな電車を乗り継ぎ、不眠不休で駆けつけてくれたのです。 何とその日のうちに全員がそろい、システム導入も無事に完了させることができました。
　 諦めずにやり遂げようとする彼らの強さを改めて感じました。 雪が降りしきる中、必死でやって来た彼らの姿がまだ目に焼き付いています。