諦めていたらラッキーな結果も得られなかった

「いいな」と思われたら押してください。

　 あるタイヤ金型を改良するアイディアを考えました。 他部署が持っていた加硫度というゴムの加工度合を表す指標、さらに転がり抵抗のデータと自部署でのシミュレーション結果を組み合わせて思いついたアイディアです。
　 検証結果への期待は膨む一方、金型での試みは前例が少なく、やってみないと効果は全くわかりません。 今までの私なら躊躇したまま踏み出せなかったかもしれません。 しかし、やってみようと思い切れたのは、組革研でのある一場面の体験からでした。
　 「行ってみないとわからない」。 答えがその中で明らかになっていると思い込んでいたこま図は、実はそうではなかったのです。 衝撃を受けました。
　 開発テーマの検証に向かって、設計部にお願いして、転がり抵抗を測定する試験日を予約しました。 試験に供試するタイヤは開発工場の設備を使い自ら試作。 ところが、試作中に部品の一つを破損してしまったのです。 予備品はありませんでした。 翌々日にはタイヤを引き渡さなければなりません。 今から部品を手配しても試験の予定日には間に合わない。 途方に暮れ、今回は諦めようかとも考えました。
　 しかし他部署に頼み込んで枠を空けてもらった試験です。 何とかしなければと思い直しました。
　 いくつもの工場に電話をし、予備品を探し回りました。 まったく知らない工場にもあらゆる伝手を頼って連絡しました。 すると、予備品がとうとう見つかり試験に間に合わせることができたのです。
　 ラッキーにも何とか挽回することができました。 しかし、あの時に諦めてしまっていたらその結果も得られませんでした。 やり抜こうと思い直すことができて、本当に良かったと思っています。