「自分が一生懸命にやっているつもりではダメなんだ。他からそう見てもらえなくては……」
と言ったのは、2、3年まえの 「組革研」にある企業からやってきた “新入社員”、まだ学生身分の18歳の若ものであった。 先々月の 「組革研」には横浜ゴムから、10か月まえに入社した22人の平均年令25歳の新入社員が2チームに分かれて派遣されてきた。 その中の1チームが力説したことが、
「できるできないではなく、やるかやらないかだ!」
「苦労の先に楽しさがあるかわからないけれども、本当の楽しさというのは、絶対に苦労の先にしかないのだ」
であった。
横浜ゴムの若ものの一人である川口玲くん(25歳)は職場に戻って後、 「デイリーメール」に次の文章を寄せてくれた。 一部をカットしてその全容を転載する。
何と素晴らしい若ものたちであろうか。
彼らがアピールしている姿、それこそが多くの若ものたちに埋もれている 「人性」だと、私は確信する。 いわゆる大人たちが知っている若ものたちの姿は、家庭から始まる今日の管理社会の中で、非主体的に “初期設定” されている仮姿なのだ。
もとより、巷で見る若ものたち批判の多くに同感しないわけではない。 のみならず、若ものの提灯持ちがごとき一部の言など、胸糞悪くなる。 前記の若ものたちも、 「組革研」会期の途中までは世間で見る並みであった。 即、そのように、思考と行動が “設定” されてしまっているからであろう。
そんな “初期設定” の再生を、家庭や学校に期待するのは非現実的だ。 その力は、今日の社会に支配的な影響力を有する企業の中にしかない。 だがその 「人と組織」に対するマネジメントは、既成の “設定” を延長してより色濃くしていく一方だ。 その典型を「三逆リーダー」に見ることになる。
機器の初期設定と違って、人間のそれは大変、おいそれとはいかない。 さらに、もはや “設定” の再生不能だと言いたくなるような人間もいるかもしれない。 しかしこの努力の 「コスパ」は、彼らの生涯賃金をちょっと見渡せば、この上なく特大になるのでないだろうか。
19.4.3.
藤田英夫
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